1966年秋、ザルツブルク市のグニグル(Gnigl)地区。14歳の少年と4人の同級生が、親の営む工房で毛皮と張り子を使って初めての仮面を作りました。牛の角は肉屋からもらってきたものです。この仲間から生まれたのがAlt Gnigler Krampus Perchten Passで、今ではグニグルのクランプスの行進(Gnigler Krampuslauf)を主催しています。毎年、ミラベル広場(Mirabellplatz)にある私たちのザルツブルク・クリスマスマーケットにも来てくれ、2026年は12月3日の聖ニコラウスも来るクランプスの行進に登場します。
Alt Gnigler Krampus Perchten Passとは? 1966年に結成された、オーストリアの伝統行事を受け継ぐザルツブルク市グニグル地区の団体です。メンバーはアドベント(待降節)には聖ニコラウスとともにクランプス(Krampus。聖ニコラウスに付き添う、角と毛皮をまとったアルプスの民間伝承の存在)として、Rauhnächte(冬至から公現祭までの「荒れ夜」)にはSchiachperchten、つまり荒々しく「醜い」Perchten(ペルヒテン。毛皮と仮面をまとったアルプスの冬の民間伝承の存在)として登場します。2011年からは、グニグルのクランプスの行進を主催しています。
Alt Gniglerが2026年にミラベル広場に来る日は、下記をご覧ください。
グニグル:Alt Gnigler Krampusの地元
グニグルはザルツブルク市の北東部、中心部から約3キロ、KühbergとHeubergという2つの山のあいだにあります。1935年までは独立した自治体でしたが、その後大部分が市に編入されました。現在は、ObergniglとNiedergniglという2つの古い集落を中心にもつ市内の地区です。
グニグルはクランプスと深く結びついています。1972年からグニグルのクランプスの行進が行われていて、Alt Gniglerによれば、そのおかげでこの地区は「クランプスの一大拠点」になりました。グニグルでは時とともにほかのPassen(Pass=クランプスやペルヒテンに扮する人たちのグループ。Passenはその複数形)も生まれました。そのため、Hans Bruggerを中心とするグループは、のちに「Alt Gnigler」(「昔からのグニグルの人たち」の意味)と名乗るようになりました。
1966年、すべての始まり
1966年秋、当時14歳で、のちにグニグルで内装職人の親方(Tapezierermeister)となるHans Bruggerと4人の同級生は、クランプスとペルヒテンのグループを作ることにしました。そのアイデアは子どものころからありました。1950年代半ば、両親と一緒にSt. Johann(ザルツブルク州の町)でポンガウ地方のペルヒテンの行進(Pongauer Perchtenlauf)を見せてもらったのです。そこへ、Großarl(ザルツブルク州の村)生まれの母親が語ってくれた話が加わりました。
道具はささやかなものでした。少年たちはBrugger家の工房で毛皮と張り子の仮面を作り、牛の角は肉屋で手に入れました。毛皮の衣装には、裏返した鉄道員のコートに毛皮の切れ端を貼ったり縫いつけたりしたものなどを使いました。シラカバとヤナギの枝の鞭、牛の鈴、じゃらじゃら鳴る鎖を持って、グニグルの通りを練り歩いたのです。Passのサイトでは、そのころのことが方言でこう書かれています。「Masken bast’lt – g’schnitzt sogår, verziehrt mit Roß, Goas – Schafihaar.」(仮面を手作りし、彫りもした。Roß、Goas、Schafihaarで飾って)。つまり馬、ヤギ、羊の毛のことです。
グニグルのクランプスの行進から木彫りの仮面へ
1972年、Hans Bruggerは地区の商工会(Gnigler Wirtschaftsverein)に、地区独自のクランプスの行進を開きたいと持ちかけました。同じ年に、第1回のグニグルのクランプスの行進が行われました。木彫りの仮面が初めて作られたのも、ちょうどこのころです。グニグルのメンバーのうち何人か、それも木彫りの仮面をもつ人だけが、Dreikönig(1月6日の公現祭)にBischofshofen(ザルツブルク州の町)で行われるポンガウのペルヒテンの行進に招かれたこともありました。
2011年からは、Alt Gnigler Krampus Perchten Pass自身がグニグルのクランプスの行進を主催しています。同じ年、市内のクランプス・ペルヒテンのグループとして初めて、ザルツブルク郷土団体連盟(Gauverband der Salzburger Heimatvereine)に加盟しました。Salzburg24によると、2025年11月29日の第50回グニグルのクランプスの行進には、50を超えるPassenから約1,300人のクランプスが参加しました。創設者Hans Bruggerは、現在の会長Hannes Bruggerの父親です。
Alt Gniglerの仮面・毛皮・角
Alt Gniglerのクランプスの仮面の多くは、30年余り前から、ポンガウの仮面彫り師Wolfgang Ganglが手がけています。仮面はどれも一点もので、メンバー全員で140を超える仮面を持っています。ヤギと羊の毛皮でできたクランプスの衣装はSt. Johann im Pongauのなめし革工房から届き、鈴(Schellen)の一部はグループが自分たちで作っています。
創立50周年を記念して、Passは2016年10月、Zwergerlgarten(小人の像が並ぶ庭園)の木造パビリオンで開いた展示「Leidenschaft Maske」(仮面への情熱)で、メンバーの仮面140点以上を見せました。同じ年には、地域紙Salzburger Bezirksblätterから地域性に対する特別賞を受けています。木と角と毛皮について詳しくは、「クランプスとペルヒテンの仮面」の記事をご覧ください。
アドベントはクランプス、Rauhnächteはペルヒテン
Alt Gniglerは2つの存在を暦に沿って分けています。アドベント最初の週末から12月8日までは、聖ニコラウスとKörblträger(お菓子のかごを運ぶ係)と一緒にKrampus-Pass、つまりクランプスのグループとして歩きます。12月21日からDreikönigまでは、Schiachperchten、つまり荒々しく「schiach」(方言で「醜い」)なペルヒテンとして登場し、6本の角をつけています。雄ヤギの角が2対、雄羊の角が1対です。団体には魔女(Hexen)もいます。
公式サイトによると、グループにとっていちばん大切なのは、クランプスとペルヒテンが混同されないことです。2つの見分け方は「クランプスとペルヒテンの違い」で解説しています。クリスマスから公現祭までの夜については「ザルツブルクのRauhnächte」をご覧ください。
家庭訪問、学校、町や村での行進
Passには4世代、50人を超えるメンバーがいます。市内でも地方でも活動していて、2025/26年のシーズンにはFürstenbrunn、St. Johann im Pongau、Wagrain、Goldegg、Saalfelden(いずれもザルツブルク州の町や村)などに出かけました。昔ながらの習わしとして、12月5日と6日には、依頼に応じて聖ニコラウスと一緒に家庭を訪問します。依頼は団体のサイトaltgnigler.atで受け付けています。
団体のサイトによると、Alt Gniglerは30年近く前から幼稚園や学校も訪れています。そこで聖ニコラウス、クランプス、ペルヒテンとはどんな存在かを説明し、子どもたちが仮面を怖がらなくなるようにしています。チャリティ番組「Licht ins Dunkel」や、ザルツブルク州立病院(Landeskrankenhaus Salzburg)の小児がん病棟でも登場したことがあります。
ミラベル広場のAlt Gnigler
ミラベル広場の私たちのマーケットでは、Alt Gniglerは毎年プログラムに欠かせない存在です。2026年にやって来るのは一晩だけ、2026年12月3日(木)18:00からの、聖ニコラウスも来るクランプスの行進(Krampuslauf)です。クランプスたちが練り歩き、聖ニコラウスが子どもたちにお菓子を配る、家族みんなで楽しめる夜です。グループの暦に合わせて行進するのはクランプスだけで、ペルヒテンはRauhnächteになってから現れます。行進について詳しくは「ミラベル広場のクランプスの行進」を、市内のほかのクランプスの日程は「ザルツブルクのクランプス2026」をご覧ください。

プログラム
Alt Gniglerは2026年12月3日(木)18:00からやって来ます。聖ニコラウスも来るクランプスの行進で、聖ニコラウスが子どもたちにお菓子を配ります。全日程はプログラムで。
よくある質問
1966年からです。その年の秋、Hans Bruggerと4人の同級生がグニグルでクランプスとペルヒテンのグループを結成しました。現在は息子のHannes Bruggerが会長として団体を率いています。
グニグルはザルツブルク市の北東部にある地区で、中心部から約3キロです。1935年までは独立した自治体でした。
1972年から続く、グニグルの大きなクランプスの行進です。2011年からはAlt Gnigler自身が主催しています。Salzburg24によると、2025年11月の第50回には、50を超えるPassenから約1,300人のクランプスが集まりました。
2026年12月3日(木)18:00から、聖ニコラウスも来るクランプスの行進に登場します。聖ニコラウスが子どもたちにお菓子を配ります。日程はプログラムに載っています。
はい。12月5日と6日には、依頼に応じて聖ニコラウスと一緒に家庭を訪問します。依頼は団体のサイトから行います。
多くは30年余り前から、ポンガウの仮面彫り師Wolfgang Ganglが手がけています。仮面はどれも一点もので、メンバー全員で140を超える仮面を持っています。
出典
2026年11月2日に確認:Alt Gnigler Krampus Perchten Pass 公式サイト(トップページ、歴史、団体、風習、日程、50周年) · Salzburg24: Von fünf selbstgebastelten Masken zur Großveranstaltung (24.11.2025) · Salzburg24: Rund 1.300 Krampusse bei 50. Gnigler Krampuslauf (30.11.2025) · Wikipedia: Gnigl · ミラベル広場のクリスマスマーケット:プログラム2026
