「Es wird scho glei dumpa」(「もうすぐ暗くなる」という意味のオーストリアのクリスマスの歌)、「きよしこの夜」(Stille Nacht)、そして小さな太鼓叩きの少年の歌。本物のトラップ一家は、クリスマスにこうした歌を歌い、その一部をレコードに録音しました。トラップ・ファミリー合唱団のクリスマスについて記録に残っていること、一家が歌った歌、そして2026年のアドベント期間にザルツブルクでこうした歌を聴ける場所をまとめました。
トラップ・ファミリー合唱団とは? トラップ・ファミリー合唱団(Trapp Family Singers)は、ザルツブルクのトラップ一家による合唱団です。1930年代半ばから舞台に立ち、1938年以降は主にアメリカで、司祭フランツ・ヴァスナー(Franz Wasner)の指導のもとで活動しました。
ミラベル広場(Mirabellplatz)の私たちのザルツブルク・クリスマスマーケットでアドベント音楽が演奏される日時は、下記をご覧ください。
トラップ一家とクリスマス:記録に残っていること
特によく記録に残っているのは音楽です。家族の合唱団は、クリスマスにオーストリアやほかの多くの国の歌を歌い、それを歌集として出版し、録音もしました。一家が実際にどのようにクリスマスを祝ったかは、マリア・フォン・トラップが自分の本に書いています。詳しくは次の章で紹介します。
一家は1938年までザルツブルクで、その後はアメリカで暮らしました。トラップ一家がどんな家族だったのか、映画『サウンド・オブ・ミュージック』が何を変えて描いたのかは、トラップ一家の実話の記事で紹介しています。
マリア・フォン・トラップの本:クリスマスについて書いた箇所
マリア・フォン・トラップは、主に2冊の本でクリスマスについて書いています。
- 『The Story of the Trapp Family Singers』(Lippincott、1949年。邦題『トラップ・ファミリー合唱団物語』)には、「An Austrian Christmas」(オーストリアのクリスマス)という章があります。ドイツ語版は1952年に『Die Trapp-Familie. Vom Kloster zum Welterfolg』として出版されました。
- 『Around the Year with the Trapp Family』(Pantheon、1955年。「トラップ一家と過ごす一年」の意)は、アドベントやクリスマスを含む教会暦の祝日を順にたどる本です。ドイツ語版のタイトルは『Feste feiern mit der Trapp-Familie』(トラップ一家と祝う祝日、1960年)です。
一家がアドベントとクリスマスイブをどう過ごしたかを知りたい方は、これらの本で本人の言葉で読めます。英語版は2冊とも、今も新版で手に入ります。
トラップ一家のクリスマス歌集
1950年、ニューヨークで一家のクリスマス歌集『The Trapp Family Book of Christmas Songs』(トラップ一家のクリスマス・ソング集)が出版されました。曲を選び、歌とピアノ用に編曲したのはフランツ・ヴァスナー、挿絵を描いたのは長女のアガーテ・フォン・トラップです。
『Christmas with the Trapp Family Singers』:「きよしこの夜」を収めたクリスマスアルバム
合唱団は、レーベルDeccaのためにアルバム『Christmas with the Trapp Family Singers』を録音しました。録音は1951年と1952年、フランツ・ヴァスナーの指揮で行われました(資料によって日付が異なります)。収録されているのは「Es wird scho glei dumpa」、「Ihr Kinderlein, kommet」(子どもたちよ、来たれ)、「Es ist ein Ros’ entsprungen」(一輪のばらが咲いた)、「きよしこの夜」といったオーストリアとドイツのクリスマスの歌で、ラテン語の聖歌も入っています。2004年にはCDで再発売されました。
「きよしこの夜」が1818年にオーベルンドルフ(Oberndorf)で初めて歌われた経緯と、12月24日にその記念式典を体験できる場所は、ザルツブルクのクリスマスイブで紹介しています。
「Carol of the Drum」:「リトル・ドラマー・ボーイ」の最初の録音
このアルバムに収められた曲のひとつが「The Carol of the Drum」です。アメリカの作曲家キャサリン・K・デイヴィス(Katherine K. Davis)が1941年に書いた曲で、トラップ・ファミリー合唱団が1950年代初めに初めて録音しました(Wikipediaによると1951年、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のディスコグラフィーによると1952年)。この曲が世界中で知られるようになったのは1958年からで、ハリー・シメオン合唱団(Harry Simeone Chorale)が「リトル・ドラマー・ボーイ」(The Little Drummer Boy)というタイトルで歌いました。
ニューヨークで響いたザルツブルクのアドベント:タウンホールの演奏会
ザルツブルク観光局(Salzburg Tourismus)によると、オーストリアを離れてわずか数か月後の1938年12月10日、一家はニューヨークのタウンホール(Town Hall)で歌いました。オーストリア音楽事典「Oesterreichisches Musiklexikon」によると、そこで開かれた恒例のクリスマス・コンサートには、いつも「様式化されたアルプス地方の音楽によるクリスマスの祝い」が含まれていました。
2026年のアドベント、ザルツブルクでこうした歌を聴ける場所
伝統的なアドベントとクリスマスの音楽は、今のザルツブルクでも聴けます。たとえばこちらです。
- ミラベル広場の私たちのマーケットでアドベント音楽: 2026年11月21日から12月30日まで全20回、主に17:15から、金管奏者がミラベル宮殿(Schloss Mirabell)の前で演奏します。
- Turmblasen(街の塔の上から奏でられる管楽器の演奏): レジデンツ広場(Residenzplatz)周辺の塔の上から、管楽器奏者がクリスマスの旋律を奏でます。詳しくはザルツブルクのTurmblasenとアドベント音楽で。
- Adventsingen(民俗音楽と合唱、羊飼いの劇でクリスマスを待つザルツブルクの催し): 民謡、羊飼いの劇、朗読。詳しくはザルツブルクのAdventsingenで。
よくある質問
たくさんの音楽とともに過ごしました。家族の合唱団は、オーストリアや多くの国のクリスマスの歌を歌いました。一家がアドベントとクリスマスイブをどう祝ったかは、マリア・フォン・トラップが1949年の本の章「An Austrian Christmas」と、『Around the Year with the Trapp Family』(1955年)に書いています。
クリスマスだけを扱った本は、私たちの知る限りありません。ただ、『The Story of the Trapp Family Singers』(1949年)の章「An Austrian Christmas」と、『Around the Year with the Trapp Family』(1955年、ドイツ語版『Feste feiern mit der Trapp-Familie』)で、クリスマスについて書いています。
はい。Deccaから出た『Christmas with the Trapp Family Singers』で、「きよしこの夜」をはじめ多くのクリスマスの歌が収められています。
はい。原曲の「The Carol of the Drum」というタイトルでした。トラップ・ファミリー合唱団が1950年代初めに初めて録音し、1958年から「リトル・ドラマー・ボーイ」として知られるようになりました。
いいえ。映画の舞台はクリスマスではありません。冬にロケ地で見られるものは、冬のザルツブルクでサウンドオブミュージックのロケ地へで紹介しています。
ミラベル広場の私たちのマーケットで宮殿前のアドベント音楽を、そしてTurmblasenやAdventsingenで聴けます。私たちのマーケットの日程はプログラムのページでご覧いただけます。
出典
2026年10月28日に確認:Open Library、『The Story of the Trapp Family Singers』(Lippincott 1949)と『Around the Year with the Trapp Family』(Pantheon 1955)の項目 · Wikipedia「Maria Augusta von Trapp」(ドイツ語版の書籍について) · 『The Trapp Family Book of Christmas Songs』(Pantheon 1950)の図書館目録 · Decca Classics『Christmas with the Trapp Family Singers』(2004年版) · Discography of American Historical Recordings(カリフォルニア大学サンタバーバラ校) · Wikipedia「The Little Drummer Boy」 · ザルツブルク観光局(Salzburg Tourismus)、プレスリリース「Chronology」 · Oesterreichisches Musiklexikon online「Trapp, Familie」 · 私たちの2026年のプログラム

